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2024.10.08 2025年問題がマンション売却に与える影響と対策
2025年は日本の不動産市場にとって重要な転換期になるとされています。いわゆる「2025年問題」が浮き彫りになることによって、マンション売却のタイミングや方法に大きな影響を及ぼす可能性があるからです。今回は、2025年問題の概要と、それがマンション売却にどのような影響を与えるのか、さらに今からどのような対策を講じるべきかについて考えてみたいと思います。
1. 団塊世代の大量退職とマンション売却
2025年には、1947年から1949年生まれの団塊世代が75歳以上です。この世代は、バブル期にマンションを購入し、子供の独立後もそのまま住み続けているケースが多く見られます。しかし、健康状態の悪化や家族の変化に伴い、住み替えや施設入居を考える人が増え、これらのマンションが市場に多く出回ることが予想されます。
このように供給が増えることで、マンションの価格が下落するリスクが高まります。特に地方や都心部の古いマンションでは買い手がつかず、価格がさらに下がる可能性もあります。そのため、マンションを売却しようと考えている方は、需要がまだ高い現在のタイミングでの売却を検討することが重要です。
2. 空き家問題と中古マンションの需要
日本全体で空き家が増え続ける中、中古マンションの市場も変化しています。特に地方都市では、人口減少により住む人がいなくなり、マンションが空き家状態になることも少なくありません。これにより、マンションの資産価値が著しく下がり、売却が難しくなるケースも考えられます。
一方、都市部ではリモートワークの普及などにより、広い郊外の戸建て住宅に住み替える動きが出てきており、これがマンション需要に影響を与えています。今後もライフスタイルの変化に伴って、マンションよりも別の住居形態を求める人が増えることが予想されます。そのため、将来的な需要減少を見越して、今のうちにマンションを売却しておくことが得策かもしれません。
3. 所有者不明土地問題とマンションの相続
日本では、所有者が不明の土地の問題が深刻化しています。これと同様に、マンションの相続時に適切な手続きを行わず、所有者が不明になったり、複数の相続人の間で権利関係が複雑化になるケースが増えています。このような状態では、マンションの売却が難しくなり、資産価値が失われるリスクがあります。
そのため、相続予定のマンションを所有している場合は、事前に売却を検討するか、適切な手続きを踏むことが重要です。相続税の負担が大きくなる前に売却して現金に変えてしまうことで、資産の管理がしやすくなるでしょう。
4. 都市部のオフィスビル供給過剰とマンション価格への影響
都市部では、オフィスビルの供給が過剰になる点が懸念されています。テレワークの普及によりオフィス需要が減少する一方で、建設中のビルが完成し続けるため、賃料の下落や空室率の増加が予想されます。この影響は、オフィスビルだけでなく、周辺のマンションにも波及する可能性があります。特に、商業施設やオフィスに近い立地が売りだったマンションの資産価値が下がるかもしれません。
マンションを売却する際には、こうした外部要因にも目を向け、将来的に価格が下落する前に売却することが望ましいです。
5. マンション売却を考えるなら今がタイミング
以上のように、2025年問題はマンション市場に多くの影響を及ぼす可能性があります。現在、マンションの売却を検討している方にとっては、これらのリスクを見越して早めの行動を取ることが重要です。特に、売却を急ぐ必要がない場合でも、物件の価値が高いうちに市場に出すことで、予想外の価格下落を避けることができます。
さらに、将来的な市場の変動を見越して、専門家に相談しながら、最適なタイミングで売却できるように計画を立てておくことが大切です。今から準備を進め、2025年問題に備えておくことで、安心してマンション売却に臨むことができるでしょう。
監修者情報
髙倉 茂樹
代表取締役・宅地建物取引士